逃れの町
ミュージシャンのGARNET CROWの曲に
“逃れの町”という曲があります。
歌詞はこんな感じです。
“深い森に身をひそめて 逃れの町さがしてる
目覚めのないあすを待つ 罪を償う気力すら
残せずに祈りをささげては'knavish'
(oh-hell or heaven?)
Jesus(イエス)ねぇ 罪深き子羊 許してくれる?
約束だらけの世界が失望を引き起こしているの?
変わる景色迷うなら 同じ場所にいればいい
汚れのない罪を知る 正直さも多種多様で
無限の愛 救済事由なんて'mazy'
(oh-hell or heaven?)
Jesus(イエス)ねぇ 罪深き子羊 許してくれる?
すべての終わりを望みながらも 継続求めてる
Jesus(イエス)ねぇ 罪深き子羊 許していいの?
秘めた欲望に さぁ 深い畏怖(おそれ)と
とどめ刺して欲しい”
⭐ご存知の方も多いと思いますが、GARNET CROWの「逃れの町」は、旧約聖書・民数記35章9~14節から取られているんですね。
『主はモーセに仰せになった。「イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。“あなたたちがヨルダン川を渡って、カナンの土地に入るとき、自分たちのために幾つかの町を選んで逃れの町とし、過って人を殺した者が逃げ込むことができるようにしなさい。町は、復讐する者からの逃れのために、あなたたちに用いられるであろう。人を殺した者が、共同体の前に立って裁きを受ける前に、殺されることのないためである。あなたたちが定める町のうちに、六つの逃れの町がなければならない。すなわち、ヨルダン川の東側に三つの町、カナンの土地に三つの町を定めて、逃れの町としなければならない。”」』
GARNET CROWは、この聖書の記事を元にして、現代の深い闇を描いているのかもしれません。
冒頭の「深い森に身をひそめて 逃れの町さがしてる」というフレーズからして、
みんな多かれ少なかれ、逃げたがってる、隠れたがってる。
そんな想いを代表して語っているのではないでしょうか。
「約束だらけの世界が失望を引き起こしている」とか
「汚れのない罪を知る 正直さも多種多様で」とかの言葉から考えると、
自分としては正直な気持ち、汚れのない思いで約束をしたんだけど
(※それは個人的な人間関係でも、政治でも同じこと)
いろんな事情で約束を果たせなかったりするわけです。
いや、ある場合には、事の成り行きの中で、当初の約束通りに
しない方が良い、と判断することも起きて来る。
現代で流行りの「多種多様でいい」って考えが、人を解放するようでいて、
かえって人を苦しめることもある。
あれも良いし、これも良い、
だから誰も(芸能人であれ、マスコミであれ、ユーチューバーであれ)
白黒をつけられない。
そうさ、そんな世の中に疲れちゃって、こもりたくなるのさ、逃れの町に。
そして、償わなくてもいい罪に苦しんで、許しを請わなければならない。
こんな世界なんてなくなってしまえばいい、そう願いながらも、
でもやっぱし終わるのは怖いから嫌だ・・・
自分の、そして世の中の許しを請いつつ、
しかしもう一方で、許してばかりでいいのか?
悪いことは悪いこととして、裁かれるべきだ!との思いも沸き起こって来る。
とこんな感じで、解釈してみましたが、皆さんはいかがでしょうか?
こんなのもあります、ご参考までに・・・